割れてないオーザックって存在するんですかね、禅骨です。
そんな訳で今回は、映画『ビー・バップ・ハイスクール』シリーズを取り上げてみたいと思います。
なぜこの映画を取り上げるかというと、実は大半のロケを静岡市清水区(当時は清水市)で行っていたんですね。
しかも1985年12月~1988年12月の3年間で6作品が制作・公開されたほどの大ヒット映画で、静岡人として誇らしかったものです。
ただ弊害として「清水=ヤンキーの巣窟」というイメージと、実際ビー・バップ・ハイスクールの聖地として多くのならず者が集まるようになっていました。
当時小学生だった私はビビりまくり、清水に行くと小沢仁志につかまって鼻に割りばしを突き刺されガンッ!ってやられるものだと思っていました。
水が入っても痛い鼻の穴に割りばしをガンッ・・・ファミコンに夢中だった少年を震え上がらせるには十分すぎました。
ちなみに類似行為として「口鉛筆」というのもありましてね。
念のため口鉛筆を説明しますと、まず数本の鉛筆を一口サイズに折ります。
一口サイズにカットされた鉛筆を仲村トオルの口に押し込みます。
そうしたら仲村トオルをしこたま殴ります
殴打による外傷だけでなく鉛筆による口内裂傷を伴い、仲村トオルの口の中は血まみれです。
でもなぜか仲村トオルは恍惚の表情を浮かべます。
この拷問をズボンを脱がされパンツ姿で受けていた仲村トオルの口内と心の傷は計り知れません。
ちびまる子ちゃんでだいぶ清水のイメージは回復したかもしれませんが、昭和生まれの静岡人は未だに小沢仁志と城東のテルにおびえて過ごしています。
なので今回はそんなトラウマを克服すべく、30年以上経った清水のビーバップ聖地巡りをしてみたいと思います。
たださすがに長い年月が過ぎて街並みも風景も変わってしまいましたので、今回は明確にロケ地の痕跡が残っている場所を厳選して紹介していきます。
Contents
マドンナ「泉今日子」宅の豪邸
まず最初は第一作目に登場する泉今日子(中山美穂)の自宅です。
映画の設定では中山美穂は大きな酒蔵の娘で、立派な壁に囲まれた豪邸に住むお嬢様でした。
そしてそのロケ地として選ばれたのも実際の酒蔵で、興津にある「三和酒造株式会社 興津工場」でした。
会社正面右側に立派な塀があり、それこそが映画のシーンで使われていた場所でした。
老舗の酒造メーカー所有の趣ある日本家屋、それらの条件が幸いして解体・改築されることもなく撮影時とほぼ同じ状態で現存しております。
ちなみにストーリーとしては、お嬢様の今日子の誕生日パーティーに招かれた主人公の不良少年、加藤ヒロシ(清水宏次朗)と仲間トオル(仲村トオル)ですが
居心地の悪さや周りからの陰口に耐え切れず、酒蔵の酒を浴びるように飲み酔っぱらいまくります。
慌てて駆け付けた今日子とその家族たちに酒をぶっかけます。
最終的には酒でびしょ濡れになって、パンイチで語り合います。
ちなみに三和酒造さんは静岡吟醸「臥龍梅(がりゅうばい)」という銘酒を生み出した本物の静岡の老舗酒蔵です。
徹底した衛生管理はもちろん、実際は酒樽にヤンキーが混入することは一切ありませんのでご安心ください。
戸塚水産に追いかけられ「新世界」へ
そんな第一作目のメインイベントは、主人公率いる「愛徳高等学校」と不良校で名高い「戸塚水産高等学校」との抗争です。
戸塚水産は卒業生の半分がヤ〇ザになるという非常にやばい高校で、主人公2人は知らずに手を出してしまい、その後執拗に追いかけられることになります。
そんな戸塚のヤンキーに追いかけられたヒロシたちが逃げ込んだ先が、新清水駅前にある昔ながらの飲み屋街「新世界」です。
もう映画のロケ地とか関係なく非常に雰囲気のある場所で、ここだけ昭和のまま時間が止まってしまったかのようでワクワクします。
で、件のシーンがこちらです。
次々とトタンの壁を乗り越えていくこの場所は、新世界通りの中ほどにあるところです。
色褪せてはいますが看板に書かれているお店の名前が寸分違わず残っていました。
ただ乗り越えていったトタンの壁は無く、現在は1m程度の金網フェンスがあるだけでした。
これなら戸塚水産の連中に追いかけられても逃げやすくていいですね。
『新世界』
〒424-0821 静岡県静岡市清水区相生町9−13
〒424-0821 静岡県静岡市清水区相生町9−13
各校の番長合流『波止場踏切』
次は第三作目『高校与太郎行進曲』より、主役の二人が北高の番長・前川シンゴ(小沢仁志)に女を紹介してもらいに行く道中に出てくる踏切です。
商店街のアーチは「栄町銀座」となっていますが、実際は「清水銀座」と書かれてありその上に文字を張り付けています。
なのでよく見ると端っこの方に裏文字になった「清水銀座」の片鱗が見受けられます。
ちなみに現在はこのアーチ自体が撤去されており、非常に殺風景になってしまいました。
それでも撮影時の面影を残すのが、踏切を横断中に後方に見える「週刊現代」「戸田書店」の文字です。
こちらはかなり色褪せ、蔦に覆われていましたがしっかりと残っていました。
そして踏切の先で立花の番長・菊永淳一(通称「菊リン」)の影武者と遭遇します。
こちらも後ろに映る橋が改築されているので面影は薄いのですが、右側に映りこんだ「沼田酒店」さんは看板こそリニューアルされましたが現在も営業しています。
そして本物の菊リンがわき道から現れます。
建物は塗り替えられていますが、ガラス張りのコーナーや照明、消火栓、エントランスのアーチ等しっかりと面影が残っていますね。
そしてこの建物の管理は「太平不動産」から
「アパマンショップ アイワ不動産」に変わったようです。
『波止場踏切』
〒424-0821 静岡県静岡市清水区相生町1
〒424-0821 静岡県静岡市清水区相生町1
巴川からゲームセンターハワイ
そして合流した菊リンもついでに女を紹介してもらえる事となり、一緒に歩いている場所が巴川にかかる大正橋です。
歩道と車道を隔てるガードレールや橋の欄干は現在も同じものが残っています。
そしてアングルが変わって後方に映る「高田石材店」「かね田食堂」
こちらも全く同じ看板が残っており、現在も営業されていました。
そして主人公たち4人が有名な番長だと知り、慌てて逃げ出した2人の不良の後ろに映るのが「水神社」です。
神社の境内に生えていた木は伐採されていましたが、こちらもしっかりとその姿を残しています。
残念ながら水神社の隣にあった「ゲームセンターハワイ」ですが
現在は更地になっており、跡形もなくなっていました。
『水神社』
〒424-0817 静岡県静岡市清水区銀座12−18
〒424-0817 静岡県静岡市清水区銀座12−18
前編まとめ
今回ビーバップのロケ地、聖地巡りをするにあたって、正直、30年以上昔の風景や街並みなんて残ってないだろうと思っていました。
ところが清水という町の停滞具合が良いように働きまして、思った以上にその面影を見つけることが出来ました。
また確認・比較のため映画を観かえしてみたらまだまだ取りこぼしがある事にも気付きまして・・・
なのでまた後日清水へ再訪の上、後編としてビーバップの痕跡を改めてお届けしたいと思います(=д=)ノシ