大迫選手が半端なかったことをたまには思い出してあげてください、禅骨です。
そんな訳で、今回ご紹介するのは『アロエランド』さんです。
実はこちらのお店には10年以上前に来たことがあり、その時は「アロエベラ風呂」という温浴施設でした。
現在はお風呂の稼働を止めて、アロエを使った商品や食べ物を提供するお店になったようです。
ちょっとした懐かしさを胸に入り口のドアを開けると、そこはビニールハウスになっており大量のアロエが栽培されています。
所狭しと密集した一面アロエの光景は、まさに壮観のひとことですね。
しかしアロエにそこまで思い入れもないので素通りして、奥のショップへ向かいます。
ショップ内ではアロエを使った健康食品・飲料から、化粧水・美容液などの化粧品を販売しています。
中にはそのままアロエの葉っぱを販売していたりもします。
1枚で700gありますから、かなり大きくてズッシリとしています。
しかしアロエにそこまで思い入れがないので、さらに奥のカフェスペースへ向います。
季節などで変わるようですが、この日は3種類のメニューを提供していました。
左から『ほんとの生アロエヨーグルト』『生アロエ黒蜜きな粉』『生アロエベラ美肌ジュース』と、やはり全てアロエ絡みのメニューです。
ウソをつく奴はだいたい「ほんと」って言うので、それ以外の『生アロエ黒蜜きな粉』と『生アロエベラ美肌ジュース』を注文してみました。
『生アロエ黒蜜きな粉』(500円)
『生アロエベラ美肌ジュース』(500円)
アロエ自体に味はなく無味無臭なのですが、コリコリとした心地よい食感がありますね。
ですからシンプルに黒蜜きな粉の味で、ジュースもミックスされているリンゴの味がします。
ただアロエから染み出る液体の粘度が非常に高く、時々喉の奥に張り付いて呼吸困難に陥ります。
お年寄りが餅を喉に詰まらせて亡くなるような、さながら透明な餅を食べているようです。
透明な餅と言えば聞こえはいいのですが、そんなもの世の中には存在しません。
例えるのにぴったりな物は頭に浮かんでいるのですが、それを言葉にしたら終わりだと思い黙々と食べ続けます。
すると同様に黙々と食べ続けていた妻が不意に一言つぶやきました。
「何か鼻水食べているみたい」
夫婦というのは不思議なもので、化学では解明できない奇跡が時折起こるものです。
私の頭に浮かんでいた言葉が一言一句違わず妻の口から発せられました。
ただそれと同時に「アロエランド」という名のスタジアムに、試合終了のホイッスルが鳴り響きました。
脳がこれを鼻水と認識してしまったからには、これ以上食べるのは不可能です。
半分以上が残っていましたが帰ろうとしたその時、壁に貼られたある文章が目に入りました。
アロエランドの店主、宮城春江さんのアロエに対する熱い想いをしたためた感謝状です。
これほどまでにアロエを愛し、人生をアロエに捧げた方の作った鼻水、いや「生アロエの黒蜜きな粉」を残すことが出来ますか?
人間の心を持っていたらとてもそんな酷いことは出来ません。
というより文章から垣間見える何かが、残したらやばいと訴えています。
我々は必死で喉の奥に張り付く鼻水、いやアロエを、アロエをすする、いや鼻をすする要領で鼻水を、いやアロエを飲み込みました。
そして何とか鼻水、いやアロエを、まあ鼻水のようなアロエを完食しました。
何とも言えない達成感を胸にお会計へ向かうと、春江さんが「お味の方はいかがでしたか?」と問うてきました。
我々は迷うことなく「とても美味しかったです」と、そして「また来ます」と言って店をあとにしました。
外に出ると初夏の訪れを知らせる夏雲が空を覆っていました。
今年の夏も暑くなりそうです。
『アロエランド』
〒421-0511 静岡県牧之原市片浜783−1
〒421-0511 静岡県牧之原市片浜783−1